7月21日から23日まで、市議会TX沿線整備と新川耕高知・周辺特別委員会で秋田県内3市へ視察を行いました。
■秋田県大仙市の「医療・福祉・交通の都市機能集積による人口減少社会への対応」について
合併した町村を抱えつつ、市街化の空洞化、人口減少への対応として都市機能の集積を市内一番の駅周辺にすることは大いに理解できる。 また全国的には、総合病院を縮小し、診療所だけを残し、残りは商業・物販等の店舗に切り替え、大きな赤字と交流人口の減少に拍車をかける再開発が多くみられる中、さらには民間医療法人が経営的に厳しさを増す中、旧来の総合病院を維持し、地域の中心的役割を担い続けたことや行政の努力が今地域の将来的価値向上に絶対的不可欠なものと捉えた。
費用負担等は大きな負担が市に強いられたことは間違いないが、ハイリスクハイリターン路線ではなく、日常不断に軸足を置いた堅実な内容であったと思われる。現下で総合病院の移転建て替えは更なる事業費の高騰しており、医療法人が断念し、市街地の活性化どころか医療提供不足、更なる人口流出等も想定されると思われた。
いっぽう地域の衰退に直面する地域への対応については様々な
努力が構築されていると思われたが、医療・福祉的な充実・強化での対案も必要と思われる。どうしても「催し」や「行事」の非日常の維持存続より、圧倒的な残りの日常のQOL向上が何よりも重要だと私は考える。QOLはそこに住む住民の生の声とリアルな生活があり、行政の評価をあげる力がある。また従事するケアワーカーの育成(市独自の奨学金や通学支援の創設含む)・確保・充実は超過疎化や超高齢化の地域社会を支える強固な人材基盤となり、ケアワーカーとその家族の居住・市税収入などの波及効果も見据えれば、地域の確かな宝にもなりえると考える。
■秋田県能代市「道の駅二ツ井(ふたつい)」を核とした地域活性化プロジェクトについて
日本海沿岸東北自動車道の延伸に伴い旧施設が移転対象となった「天の時」、ICが隣接するという「地の利」、指定管理者および地域の「人の和」が結実している施設であり運営が行われており実践例だと感じた。
人口が5万人を割る人口減少地域でありながら、来場者数が開設から6年で600万人を突破しているのは、単発の「催し」に依存するのではなく、「催し」を日常化し、季節や地域の希少的価値にフォーカスした気軽な「催し」への進化、カヌー体験やサイクリング、釣りなど利用者ニーズをくすぐる企画の提供、子育て施設(普段は子育て支援施設であるものの、百年に一度の水害や周辺が浸水しても浸水しない標高を活かし、水害時は消防水防団拠点へと変換できる仕組み)やドッグランなどの日常利用する場の提供など不断の創意工夫がなされていると感じられた。これらは、「単発化」「民間活力の更なる引き出し」「人の和の醸成」が課題となっている流山おおたかの森駅周辺の「催し」等にも活かせるものと捉えることができた。
また道の駅運営に導入している「指定管理」について、年間約3千万円の公費投入、人件費は全て売上金(年5億円程度)で賄われる一方、施設維持はほぼ公費で対応し、指定管理の変更はおこなわない(指定管理の事業者内での人事異動はアリ)という契約内容は、本市で参考にできるポイントがあると考える。特に本市の場合、施設の設置目的・提供されるサービスは異なるにもかかわらず、「安上がりな指定管理」を共通して求めていることから、公費投入は少ないものの、サービスの継続性や、後継者づくりなど指定管理事業体の育英・振興及び、指定管理期間が5年毎のため、10年、20年先を見据えた投資や人材育成などに課題があり、その処方箋の一つとしても活かせるものと考える。
さらに、道の駅から市街地への「交流人口」についても商店街割引等工夫が見られた。すでに実践されているかもしれないが、事業者の創意工夫や売出しポイントを話し合い引き出し合う「しゃべり場」、自慢の逸品を食事提供時の試食や、訪れてみたくなる地域の要所紹介など「新発見の場」として行政や指定管理が橋渡し的役割(コーディネート含む)もあれば、「創意」や「創造」につながるのではないかと感じた。
■秋田市の「文化創造プロジェクト」について
秋田駅近くに芸術文化を核とするゾーンをつくり、地域に根づく歴史・文化を中心に市街地活性化を市民協働で図り、創造する取組と言え、大変勉強になった。
特に、第15次総合計画まで持つ秋田市の歴史と人の営みの積み重ねは、この事業の核となり、その核を把握し、土台の一つに据えた行政サイドの視点・計画は先見の明があったと捉えることができる。また、文化創造館(旧県立美術館)の指定管理者が、屋内外を自由に(公序良俗に違反しないもの)、創造的に利活用できる場として提供されるだけではなく、利用者の希望や創造に適した施設や利用方法の提案などコーディネーターとしても活動されている姿と、それらをサポートし、一体で歩む市所管課の姿勢は本市でも大いに参考になるものと考える。
一方、市街地のゾーニング(顔のあるまちづくり)では本市の場合、ベッドタウンとしての急成長があり、学校配置も含め街の顔づくりに向けた50年、100年の「計」を残念ながら持ちえないのが実態である。
流山駅・市役所周辺でいえば、白みりんミュージアムや旧秋元家、古民家活用、有形文化財があり、本市の今を形どった地域の一つとして「文化」「歴史」があるものの、その核の一つである図書館・博物館の将来像はない(施設個別箇所の改修実施済み)。おおたかの森駅周辺は、東口で野間土手が残り、旧小山小学校敷地の桜を移植し、文化・教育が香る駅前を目指したが、共同住宅が圧倒的に占め、北口も文化ホールの設置に留まり、共同住宅が大半を占めてしまった。南口・西口も「景観」は広く貫かれるものの、商業集積を試みるも、市のタネ地がなく、民間ベースのみで整備したことから「顔」は作り出しえていない。セントラルパーク駅も市長の方針(現時点)では難しさはあるものの、総合体育館や運動公園を活かした「リラクゼーション」、生涯学習センターを活かした「文化芸術」、総合病院を活かした「健康」があることから、駅前市有地への保健センターや保健所、生涯学習センターと博物館、図書館等の複合高層施設の設置・誘致による「顔」づくりにもなりえる。改めて、市長執行部や議会の丁寧で複眼的、長期的議論の重要性を痛感している。